【神奈川台場】勝海舟が設計した砲台場跡地の遺構を探索!

近代的なマンションの建設が進む横浜市神奈川区にかつて存在した『神奈川台場』
その歴史的建造物の遺構を探す歩き旅に出かけてみましょう。

神奈川台場図
横浜開港資料館所蔵

神奈川台場は、幕末に横浜港の防衛を目的として勝海舟が設計し、伊予松山藩が築造した巨大な砲台場です。
横浜開港の翌年1860年(万延元年)に着工からわずか一年ほどで完成しました。
羽を広げたコウモリのような形をしていることから、通称「コウモリ台場」とも呼ばれ、欧州の城などをモデルにして造られました。

勝海舟 1860年渡米時にサンフランシスコにて撮影
出典:Wikipedia

勝海舟は江戸時代末期から明治時代初期に活躍した武士であり政治家です。
1860年には咸臨丸で渡米し、帰国後に軍艦奉行並となって神戸海軍操練所を開設しました。
幕末の三舟の一人として知られ、特に江戸城の無血開城を実現したことで有名な人物です。

JR東神奈川駅

まずはJR東神奈川駅の東口を出て、最初の目的地「星野町公園」を目指します。

神奈川2丁目交差点

駅から300mほど南下したところにある国道15号との交差点(神奈川二丁目交差点)の歩道橋を渡ります。

横浜コットンハーバー

横浜コットンハーバーと呼ばれる再開発地区へ繋がる道です。
コットンハーバーという名称は、かつて「綿花町」と呼ばれるエリアが神奈川1丁目付近にあり、綿花貿易の中心地であったことに由来します。

JR貨物の踏切

JR貨物の踏切を渡ります。

JR貨物の東高島駅付近

ちょうど、JR貨物の東高島駅周辺が神奈川台場があった場所です。

ヒストリアレジデンス海舟 ~ 建設中に発見された石垣遺構 ~

ヒストリアレジデンス海舟

横浜コットンハーバー地区の入口には「ヒストリアレジデンス海舟」という名前のマンションが建っています。
随分、思い切ったネーミングですね。

喫茶&バー海舟

ヒストリアレジデンス海舟の1階には、喫茶&バー「海舟」があります。
神奈川台場ゆかりの縁起菓子「勝サブレ」も販売中と書かれていましたが、この日は休業日でした。

ヒストリアレジデンス海舟
神奈川台場の石垣遺構
神奈川台場の石垣遺構

なんと、マンションの隣には神奈川台場の石垣が残されているではありませんか!
マンションの建設中に発見されたという江戸時代から残る歴史的な遺構です。

星野町公園 ~ 開港150周年に整備された石垣遺構 ~

星野町公園
神奈川台場跡の石碑

横浜開港150周年にあたる平成21年(2009年)に遺構の石垣が公園内から見えるよう整備が行われました。

神奈川台場図

星野町公園は神奈川台場の南端に位置しています。

星野町公園
神奈川台場跡
星野町公園
神奈川台場跡

星野町公園と隣接する駐車場との間に神奈川台場の石垣跡が保存されています。
台場は総面積約26,000㎡で、工期は約1年を要しました。
当時の土木技術を考慮すると、僅か1年で海の中に人工島を作るのは相当大変だったことでしょう。

神奈川台場跡かもしれない?

次に「神奈川台場公園」へ向かいます。
途中の入江に掛かる橋から石垣が見えたので神奈川台場の痕跡か!?と思いましたが、どうなのでしょうか。。

神奈川台場公園 ~ かつての西取渡り道に造られた公園 ~

神奈川台場公園の入口
神奈川台場公園

神奈川台場は東西2本の取渡り道とりわたりみちで陸と結ばれていました。
この神奈川台場公園がある場所は、西取渡り道にしとりわたりみちの中間地点で、公園入口は水路になっていたようです。
平成20年、横浜開港150周年を契機に行われた発掘調査で明らかになった取渡り道とりわたりみちの構造などが紹介されています。

神奈川台場公園の歴史に関する案内板

神奈川台場公園には、神奈川台場の歴史が分かる案内板があります。
万延元年(1860年)に完成した神奈川台場は、明治32年(1899年)に廃止されるまでの約40年間、一度も実践で使用されることはなく、外交儀礼上の礼砲や祝砲を発射する施設として使われました。
そして、大正10年頃から埋め立てられ、現在は大部分が地下に埋もれています。

神奈川台場公園から望む横浜コットンバーバーの高層マンション群

公園からはコットンハーバーにそびえる近代的な高層マンション群を望むことができ、江戸時代に築造された神奈川台場跡とのギャップが魅力的なスポットです。

「史跡 神奈川台場跡」碑と神奈川台場の石垣遺構

史跡 神奈川台場跡の石碑

神奈川台場公園から少し離れた住宅街の片隅に「史跡 神奈川台場跡」の石碑が建っています。

神奈川台場跡の石垣遺構

石碑の背後に積まれた神奈川台場の石垣は、当時のまま残された貴重な遺構です。
城郭マニアには堪らない場所ですね。

神奈川台場跡

東神奈川駅への帰り道、かつて船溜まりだった場所は再開発工事中でしたが、何気に置かれた岩石が気になりました。もしかすると神奈川台場の遺構なのかも知れませんね。。

神奈川台場跡はいかがだったでしょうか。
今回は埋立地に眠る幕末・明治の痕跡を探る散歩コースのご紹介しました。
興味がある方は是非お出かけしてみて下さい!

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