東海道五十三次の2番目の宿場「川崎宿」
現代に残された痕跡を探りながら歴史散歩しましょう。

本日のスタートは京急 六郷土手駅です。
ここは東京都大田区の西端になります。

駅の西側は多摩川の土手になります。
広い土手を活用して野球やゴルフなどの練習に励む人や散歩やサイクリングを楽しむ人で賑わっています。
北野天神(止め天神)

学問の神様「菅原道真」を御祭神とする神社です。

8代将軍徳川吉宗が乗った馬が突然暴れだしたところ、北野天神のご加護により落馬を止めたことから「止め天神」と呼ばれるようになったそうです。


「決して落ちませんように」と祈願する受験生も多いようです。
旧六郷橋の橋門と親柱

大正14年に開通した旧六郷橋の橋門と親柱が保存されている宮本台緑地

1600年、徳川家康によって橋が架けられましたが、洪水の度に修復や架け直しが繰り返されました。
公園内にある案内板には、渡し船の時代や木造橋の時代、タイドアーチ式鉄橋の時代を経て現在に至る苦難の歴史が紹介されています。
六郷橋を渡る


東京都大田区東六郷と神奈川県川崎市川崎区を結ぶ国道15号の橋で全長は443.7mです。
広大な土手を眼下に眺めながら開放的な空間を歩くのは爽快な気分です。

ここから先は神奈川県です。

渡り切ったところに渡し船のモニュメントがあります。
明治天皇 六郷渡御碑

多摩川の下流は六郷川と呼ばれ、1600年に徳川家康が架けた六郷大橋も1688年の大洪水で流され、明治に入るまで船渡しとなりました。

明治天皇の東京行幸の際も23隻の船の上に板を敷いて渡ったそうです。

国道15号の高架をくぐって旧東海道を進みます。
万年屋跡地

2百年間続いた渡し船の時代に旅籠街が発展。
その中でも奈良茶飯で有名だったという「万年屋」の跡地です。
今はマンションになっていますが、案内板が設置されています。
川崎宿の街並みや道標



川崎宿には「旧東海道」をアピールする道標や案内などが至るところにあるので趣があります。
川崎稲荷社

旧東海道から少し脇道を入ったところにひっそりと佇む小さな神社です。

8代将軍 徳川吉宗が紀州から江戸城入りの際、ここで休息したと伝えられています。
田中本陣跡

川崎宿に3つあったと言われる本陣の中で最も古くあった「田中本陣」の跡地です。
本陣とは宿場の中で最も格式が高い宿泊施設で、主に大名や公家、幕府の要人が利用しました。
東照(とうてる)本店

大正2年創業の老舗和菓子店
江戸時代には助郷会所(近在農村より徴用された人馬が集められた場所)の跡地でもあります。

東海道中膝栗毛でも紹介された東海道名物「奈良茶飯」を現代風に仕立てた「奈良茶飯風おこわ」を食べることができます。

きっと、ここが川崎宿の中心部だったのでしょうね。
東海道かわさき宿交流館

川崎宿の歴史や文化を学べる資料館です。



川崎宿の貴重な資料や模型などが展示され、当時の様子がよくわかります。
無料で見学できます。
中の本陣跡・問屋場跡


佐藤本陣・田中本陣の間にあった惣兵衛本陣は通称「中の本陣」があったそうです。
現在は川崎歴史ガイドが設置されています。


中の本陣跡の向かい側には「問屋場(といやば)」がありました。
問屋場とは人馬の継立業務(幕府役人や大名らの荷物を次の宿場まで運ぶ)や飛脚業務(幕府公用の書状などを次の宿場まで運ぶ)などの業務を監督する重要な施設です。
約30人の問屋役人が昼夜交代で勤務していたそうです。
現在はセブンイレブンになっています。

ちなみに、問屋場跡より少し手前に戻ったところにある自動販売機は、役者見立東海道五十三次(三代目歌川豊国:画)のデザインなのでご紹介まで。。

京急川崎駅に到着!
六郷土手駅とは比較にならない賑やかさです。
本日はここまでです。お疲れさまでした。

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