国政の中心地「永田町」と「霞ヶ関」
ニュースで毎日のように聞く地名ですが、一般人が訪れる機会はあまりありませんね。
休日の閑散とした官庁街をぶらぶら歩いてみましょう。

東京メトロの永田町駅をスタートします!
なんか政治家になった気分? でも、政治家は地下鉄に乗らないでしょうね。。
最高裁判所

いきなり本題と外れますが、政治と一線を画す最高裁判所へ向かいます。
なんとなく無機質で丸みのない外観。公平な裁きをイメージしているのでしょうか。

植え込みが邪魔で「最高裁判所」の文字が見えにくかったので、道路の反対側から撮ってみました。「オー、これが最高裁か~」って感じです。

ちなみに、この辺りの坂は三宅坂と呼ばれ、後ろを振り向くと江戸城の堀(桜田濠)がキレイに見渡せます。
渡辺崋山 誕生地(三宅坂小公園)

最高裁判所の東南角にある三宅坂小公園は、歴史の授業でも習う「渡辺崋山」の誕生地と案内されています。
かつてこの付近一帯には田原藩(現在の愛知県)の上屋敷があり、渡辺崋山はこの地で生まれました。

渡辺崋山は政治家として藩政改革や海防政策に業績を残す一方で、画家としても活躍しました。
特に、陰影を巧みに用いた肖像画は人気があり、国宝「鷹見泉石像」をはじめとする多くの作品を残しました。
最高裁判所と渡辺崋山は全く関係ありませんが、田原藩の藩主「三宅家」が「三宅坂」の由来です。
国会議事堂

現在の建物は17年もの歳月をかけて昭和11年に竣工しました。
正面に向かって中央塔の左側が衆議院、右側が参議院です。
国会議事堂内の見学は予約不要。誰でも無料で見学できるそうです。

衆議院側の南門からのアングルです。

裏側から見たアングルです。左右対称なのであまり違和感がないですね。
見学する場合の受付は衆議院・参議院ともに裏側に受付があります。
国会前庭 北地区
国会前庭はその名の通り、国会議事堂の前にある庭園です。
洋式庭園の北地区と日本庭園の南地区に分かれています。
三権分立の時計塔

三権分立(立法・行政・司法)を象徴する三面の時計塔です。
塔の高さは31.5メートル。「百尺竿頭に一歩を進む」ということわざの努力の上にさらに努力して向上する意味から百尺(30.3メートル)より高く設定されました。

この塔は尾崎行雄記念財団の構想で建設されました。
尾崎行雄は当選回数25回という史上最多記録を有する政治家で「憲政の神様」「議会政治の父」と呼ばれる偉人です。

日本水準原点

我が国の土地の標高を測定する基準点です。国の重要文化財に指定されています。

明治24年、この建物の中にある台石に取り付けた水晶板の目盛りの零線の中心が標高24.50mと定められました。
その後の地震による地殻変動により、現在は24.39mに改正されています。

扉には皇室を象徴する菊の紋章があしらわれています。
なお、日本水準原点は特定の日に一般公開されており、国土地理院によると令和7年5月21日に公開予定とのことです。
国会前庭 南地区

3月2日、ちょうど梅が見頃でした。

小川や滝を配した庭園になっています。
国会議事堂の前にこんな庭園があるなんて意外ですね。
霞ヶ関
国土交通省

国会前庭 北地区を出て国会前交差点
桜田門方面の眺めです。休日は車も少なくて静かですね。

日本の行政機関のうち、国政を担う中央省庁は「1府11省3庁」で構成されています。
上記の建物は国土交通省です。
- 1府:内閣府
- 11省:総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省
- 3庁:警察庁、復興庁、デジタル庁
東京メトロ 霞ヶ関駅

エリート官僚が通勤で使う駅です。
昭和33年に丸ノ内線の西銀座駅と当駅間の開通と同時に開業し、その後、日比谷線・千代田線が開業しました。
また、平成7年に発生した地下鉄サリン事件の際は営業停止となり、日比谷線は運行を見合わせ、丸ノ内線と千代田線は当駅を通過扱いとしました。


霞が関は、奥州街道の関門で、武蔵国(現在の東京都・埼玉県・神奈川県の一部)にあったと伝えられています。その場所は、西に高台があり、東に水辺を望むといわれますが、正確な場所は分かっていません。江戸時代には武家屋敷が立ち並び、武家屋敷の場所を示す通称地名として使われました。明治時代になり、東京府の町名として正式に決定されています。
案内文より
法務省旧本館(赤レンガ棟)


近代化を急ぐ明治政府がドイツ人建築家を招き、旧司法省庁舎として明治28年に竣工しました。
その後、空襲によりレンガ壁を残して焼失したものの、改修して法務省本館として利用され、平成6年の改修工事では文化財としての観点から創建時の姿に復原されました。

「赤レンガ棟」とも呼ばれる法務省旧本館は、平成6年に国の重要文化財に指定されています。
また、かつて司法大臣が執務をとっていた部屋が法務資料展示室として一般公開されています。

江戸時代まで遡ると、この場所には米沢藩上杉家江戸藩邸がありました。
初代藩主で豊臣政権五大老の一人だった上杉景勝は会津若松120万石を領した大大名でしたが、関ヶ原の戦いで西軍に付き敗北したことにより、出羽米沢30万石まで減封されました。
警視庁 本部庁舎


警視庁は東京都の行政機関であり、東京都内を管轄しています。
首都警察としての特殊性から、国の行政機関である警察庁の管轄からは除外されています。
なので、大阪なら大阪府警察、神奈川なら神奈川県警察がありますが、東京には東京都警察という組織はなく、警視庁が警察の役割を担っているそうです。

警視庁前の桜田門交差点です。
幕末の大事件「桜田門外の変」発生現場の前に警視庁が建つなんて、偶然とは言え感慨深いですね。
山王日枝神社

最後は政治の中心地 永田町に鎮座する山王日枝神社です。
創建は鎌倉時代ですが、徳川家康入府以降は「徳川家の守り神」「江戸の産神」として敬われ、現在の永田町に遷座してからも皇居の守り神「皇城の鎮」として崇められています。
また、江戸三大祭の一つ、山王祭が行われることでも知られています。

高層ビルに囲まれ、参道である山王橋にはエスカレーターも設置されていて超都会的です。

しかも、エスカレーターの段差がバラエティに富んでいます。

社殿は空襲で焼失した後、昭和33年に再建されました。

参拝後は稲荷参道を通りましょう。写真映えスポットです!

京都の伏見稲荷を彷彿とさせる朱鳥居の連続ですね。

西方 裏参道の大鳥居です。
笠木の上に三角形の屋根が乗った鳥居は「山王鳥居」と呼ばれ、山王信仰に基づき比叡山麓の日吉大社より勧請を受けた神社(日吉神社・日枝神社・山王神社など)に用いられています。

本日のゴール、東京メトロ 溜池山王駅です。

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