東京都港区にある愛宕山は、天然の山として東京23区の最高峰(標高25.7m)です。
今日は高層ビル群に囲まれた愛宕山周辺をぶらり散策しましょう。

都営地下鉄 御成門駅A5出入口をスタートします。
萬年山 青松寺 ~ 都会の中の緑豊かな寺院 ~

太田道灌を開基として1476年に創建された曹洞宗の寺院
二階建ての大きな山門と豊かな緑が目を引きます。


山門下部では迫力ある四天王像が参拝者を迎えてくれます。


ご本尊の釈迦牟尼如来がいらっしゃる本堂です。
扉を開けて参拝することができます。

山門をくぐった左手にある鐘楼堂です。

朝と晩に九声を撞き鳴らしているそうです。都会暮らしに疲れた方にも癒しの音になるでしょうね。


境内西側に観音菩薩様(法輪大観音)がいらっしゃいます。
オフィスビルで働くビジネスマンの心も鎮めてくれそうです。

都会の喧騒を忘れさせてくれる緑豊かなお寺です。
愛宕神社 ~ 山頂に鎮座するパワースポット ~

慶長8年(1603年)、徳川家康の命により創建した愛宕神社は愛宕山の山頂にあります。
名物は「出世の石段」と呼ばれる傾斜約40度の石段。まるで壁のようです。

寛永11年、三代将軍 徳川家光が増上寺に参詣した帰り道、愛宕山の山上に咲く梅の花を見て「誰か、騎馬にてあの梅を取って参れ!」と命ぜられました。家臣たちが皆一様に下を向く中、曲垣平九郎(まがき・へいくろう)という家臣が見事な馬術にて石段を上り下りし、家光公に梅を献上しました。家光公は「この泰平の世に馬術の稽古怠りなきこと、まことにあっぱれ。日本一の馬術の名人である!」と褒め讃えました。
曲垣平九郎の名は一日にして全国に轟き出世したという故事が伝えられています。

実際、上ると息が切れるし、下りるのもチョット怖いです・・
馬で下りるのは鵯越の逆落としより難易度高いと思います。

境内には歴史の授業でも習う「江戸城無血開城会談の地」の記念撮影用パネルがあります。
田町の薩摩藩邸跡地にも石碑がありますが、一度の会談で無血開城が決まったわけではないということでしょう。

正月でもないのに社殿の前には行列ができています。大人気の神社ですね。

曲垣平九郎が三代将軍 徳川家光に献上したと言われる「将軍梅」です。

社殿の前にある「丹塗りの門」をくぐると災いを避けられるそうです。
徳川家ゆかりの神社とあって、三つ葉葵の家紋があしらわれていますね。

三つ葉葵の家紋と金色の扁額が徳川家の威厳を感じさせます。

江戸時代は市中を見渡せた愛宕山も、現代では虎ノ門ヒルズから見下ろされています。
NHK放送博物館 ~ 100年の歴史を体験 ~

愛宕山の山上には愛宕神社と並んでNHK放送博物館があります。
NHK放送博物館は世界初の放送専門博物館です。

屋外に展示されているスーパーターンスタイルアンテナは東京タワーの最上部に設置されていたアンテナの一部です。
52年以上もの間、高さ333m地点から関東一円に電波を送り届けましたが、平成23年7月23日のアナログ放送終了とともに、その役目を終えました。

4階の企画展示室では大河ドラマ「べらぼう」の企画展が実施されていました。
※この企画展は2月24日で終了しています。

番組台本や番組で使用された吉原細見の展示です。大河ドラマファンには堪らないですね。

貴重な映像や放送機材の展示により、放送開始から100年の歴史を振り返るコーナーです。

1953年のテレビ放送開始までのテレビ研究について紹介されています。

1960年代のお茶の間が再現されています。テレビ以外にも懐かしいものがいっぱいです。

テーマ展示のコーナーでは「ドラマ」「音楽番組」「こども番組」「オリンピック放送」など、なつかしい展示が盛り沢山です。

紅白歌合戦 歴代歌手出場回数番付表です。
最多出場回数は北島三郎と五木ひろしの50回。3位は森進一 48回、4位は石川さゆり 47回。
上位3人は既に紅白勇退を発表しているのに対し、石川さゆりは41年連続出場中なので、ぜひ記録更新を期待したいですね。

NHK放送博物館は見応え抜群でした。しかも、入場無料! おすすめです。

愛宕トンネル ~ 昭和5年にできた都会のトンネル ~


昭和5年にできた愛宕トンネル。トンネル手前左にある愛宕山エレベーターで山頂まで登ることができます。

自然豊かな愛宕山とオーソドックスなトンネル。都会の喧騒を忘れさせれくれる光景です。
トンネル左手前の階段は愛宕神社へ繋がる参道です。
栄閑院(猿寺) ~ 杉田玄白の墓 ~

愛宕山の北側の麓にある栄閑院には、江戸時代中期に活躍した蘭学医「杉田玄白」の墓があります。

栄閑院は通称「猿寺」と呼ばれています。
江戸時代初期、猿回しに扮した泥棒が寺に逃げ込みました。泥棒は住職に改心させられ、猿を置いて諸国行脚に旅立ち、残された猿が寺の人気者になったと伝えられています。


都史跡「杉田玄白の墓」
歴史の授業でも習う杉田玄白は、前野良沢らと共に4年の歳月をかけてオランダの解剖書「ターヘル・アナトミア」を翻訳し「解体新書」を完成させました。

杉田玄白(1733年10月20日 – 1817年6月1日)
江戸時代に解体新書の刊行を通して日本に西洋医学を広め、日本の医学の発展に大きく貢献しました。
虎ノ門ヒルズ ~ 巨大再開発都市 ~


虎ノ門ヒルズは森タワー・ビジネスタワー・レジデンシャルタワー・ステーションタワーの4棟から構成される超高層ビル群です。
ビルとビルの間はデッキで結ばれていて便利。
そして緑地や広場も整備されています。



虎ノ門ヒルズステーションタワーの竣工に合わせて2023年に開業した虎ノ門ヒルズ駅
地下鉄の駅とは思えない解放感! まるで未来都市のようです。

虎ノ門ヒルズ駅の改札前もお洒落で広々しています♪

今日はここまでです。
愛宕山周辺は高層ビル群に歴史・文化・自然が融合した魅力溢れる街でした。

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